最近、いくつかの眼科が導入したカスタムビュー。
FDAのデータで、カスタムビュー1年後に98%の症例で1.0というデータを掲載している眼科もあります。イントラレーシックに続く人気の治療方法になるのか?その潜在性を検証したいと思います。
カスタムビューはどんな視力回復手術?
米国Visx社のレーザーSTAR S4 IRを使用するウェーブフロントレーシックです。ウェーブスキャンを使用し、角膜の歪みを検出して、高次収差の補正をします。新しい機種の米国Visx社のレーザーSTAR S4 IRはFDA承認データも比較的良好なものです。
コントラスト感度の低下・ハロ・グレアなどが軽減されて、同じ1.5の視力でも見え方の質の向上が期待できます。
FDAの承認データは?
「米国FDA clinical Study カスタムビュー1年後に98%の症例で1.0。」のような内容の広告文を目をひき、凄い良い結果が期待できる視力回復手術がでてきたように思ってしまいます。
しかし、この広告文をホームぺージから下げてしまった眼科もあります。どの眼科も同じキャッチコピーを使用していたので、VISIX社のセールス文句なのでしょう。
FDAの承認データ(Approval Order )は以下のURLのApproval OrderのPDFファイルです。
STAR S4 Active Trak Excimer Laser System and WaveScan Wave FrontR System
(以下抜粋)
d. The studies found that of the 277 eyes eligible for the uncorrected
visual acuity(UCVA) analysis of effectiveness at 6 months, 100 % were corrected
to 20/40 or better,and 95.8 YO were corrected to 20/20 or better in 71
spherical myopia eyes; 99.5 YO were corrected to 20/40 or better, and
93.2 YO were corrected to 20/20 or better in 206 astigmatic myopia eyes.
日本人には分かり辛いですが、20/40というのが0.5の視力に相当し、20/20というのが1.0に相当します。VISX S4を使用した6ヵ月後に95.8%が1.0。乱視有りの近視なら93.2%が1.0というものです。
FDAのデータApproval Orderに拘るならば、こちらのデータを参考にするべきです。
まあ、いずれにせよSTAR S4は、FDA承認データでトップレベルの機種に違いありませんが、日本人にはよく分からないFDAを引き合いに出して、1年後に1.0をキープした方が98%であるとFDAで承認されたデータのようなミスリードを誘うような広告手法がいいのか疑問です。
1年後に1.0が98%というのは、VISIX社のFDAに提出した臨床データです。しかし、1年後の追跡調査の対象者数は激減しています。
6ヶ月後のデータを参照すれば、1年後に98%が1.0というのは実体とはかけ離れていると言わざるを得ません。
どっちが正しいの? (それでも言わにゃならんのです!)
個人ブログですがカスタムビューに関して的確に(辛口に?)批判しています。
上記のブログを読むと、アメリカでは、FDAのApproval Orderデータ以外は広告に使用してはいけないようです。当たり前と言えば当たり前です。厚生労働省に提出したデータですと書いてあっても、厚生労働省のデータだと誤解する人もいるでしょう。消防署の方から来た消火器のセールス販売のように。このケースは、東大入試を受けたけけど駄目だった答案。そんな例えが適切でしょうか?
米国FDA clinical Studyと書いてあっても、「FDA?何か凄そうだ。」と思う人も多いでしょうし、「クリニカル スタディー?病院の勉強?何かよく分からない。多分、眼科のホームぺージに書いてあるならFDA承認データなんだろう。」など考える人がほとんどでしょう。クリニックの(提出した)研究データです。
カスタムビューのデメリット
カスタムビューは角膜の切除量がレーシック手術よりも多くなります。その為、適応者も限られます。
オーダーメイドの手術と言われれば、カスタムビューを含めたウェーブフロントに魅かれるのは人情だと思います。しかし、実際は、照射パターンの決まっているレーシックでも、さほど結果が変わらなかったり、スタンダード照射のほうが良い結果の場合も多いです。
ウェーブフロントかスタンダードか、はたまたトポリンクか同価格でレーザーの照射方法を医師が選択してくれる眼科もあります。
夜間視力が気になる!ウェーブフロントレーシック低費用比較価格ランキング
眼科の利益抜きに先生に選んでもらった方が安心だと思います。
角膜の切除量が多くなるのは、再手術になったときにおいてもデメリットでしかありません。そのリスクと見え方の質の向上の期待を天秤にかけて、それでも必要に思う方のみ選択すべきです。
やはり、カスタムビューがいいのかどうか悩まれているのなら、イントラレーシックのようにカスタムビューを扱っていない他院でセカンドオピニオンをうける事が必要です。
カスタムビューを以前から導入していた眼科
最近話題になっていますが、2005/10/21から導入していた眼科がありました。
柏眼科クリニック
他の眼科も導入していたようですが、柏眼科は術後99%が1.0の裸眼視力を実現したようです。やはりVISX STAR S4は、良いエキシマレーザー機種なのでしょう。それだけでなく、フラップ作成もAMADEUS2で、イントラレーシックに匹敵するケラトームです。また執刀医も症例を重ねた眼科専門医です。
他にもカスタムビューを以前から導入していた眼科はあります。批判もしましたが良い機種です。今後、カスタムビュー人気がどうなるか注目です。そのうちイントラカスタムビューの眼科がでたり(冗談です。)。
無料でウェーブアナライザーで角膜の歪みを解析している品川近視クリニック
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柏眼科クリニック
’93からカスタムビュー
ケラトームAMADEUS2術後99%が1.0を実現 |
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